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犬の腎臓病の合併症とケア

犬の腎臓病で嘔吐が起こる原因と対処法|放置は危険?症状・対処・病院の判断目安

腎臓病による嘔吐は早めの対処が重要

犬が嘔吐する原因はさまざまですが、腎臓病と関係する嘔吐は非常に危険なサインです。腎臓の機能が低下すると体内に老廃物が排出されず、体調悪化や脱水、尿毒症につながる可能性があります。
特に「腎臓病と診断済み」の犬が嘔吐した場合は、すぐに経過観察や受診判断が必要です。早期に対応すれば症状の進行を遅らせ、苦痛を減らすことができます。


なぜ腎臓病で嘔吐が起こるのか?

尿毒症による吐き気

腎臓が老廃物を排出できなくなると、体内に毒素(尿素窒素・クレアチニンなど)が溜まります。これが胃腸を刺激して嘔吐を引き起こすことがあります。

胃腸機能の低下

腎機能が落ちると、自律神経の乱れや消化不良によって食べ物を処理できず、未消化のまま吐くこともあります。

食欲不振や栄養不足との関連

腎臓病では食欲が低下しがちで、少し食べただけでも「胃が受け付けない」という状態になることがあります。

薬や療法食との相性

投薬治療中や療法食の変更後に吐く場合は、胃への刺激や食事ストレスが原因になるケースもあります。


嘔吐のタイプ別にわかる危険サイン

✅ 白い泡・透明な液

胃が空の状態で吐くときに多く、脱水や胃酸過多の可能性があります。

✅ 食べたものを未消化で吐く

食後すぐの嘔吐は食欲低下・消化不良・胃の機能低下が疑われます。

✅ 黄色い胆汁を吐く

胆汁は空腹時や胃腸トラブルで出やすく、慢性嘔吐のサインのことも。

✅ 血が混ざる・何度も吐く

緊急性が高い状態です。胃や腸の炎症・潰瘍、重度脱水が考えられます。


自宅でできる応急処置と判断ポイント

✅ 無理に食べさせない

嘔吐直後にフードを与えると、再び吐いて胃への負担が増えます。

✅ 脱水チェック

以下が当てはまる場合は危険性大です。

  • 皮膚をつまんで戻りが遅い

  • 口や鼻が乾いている

  • 目が落ちくぼんでいる

✅ 嘔吐の回数とタイミングを記録

「何を食べたあと」「どんな色・状態」などをメモすると受診時に役立ちます。

✅ 水は様子を見ながら

がぶ飲みは再嘔吐の原因に。少量ずつが基本です。


病院へ行くべき危険サイン

以下の症状がある場合は早めに受診推奨です👇

  • 1日に2〜3回以上吐く

  • 嘔吐が連日続く

  • 水も食事も受け付けない

  • ぐったりして動かない

  • 下痢・血便を伴う

  • 腎臓病と診断済みで症状悪化

  • 尿の量が極端に減っている

嘔吐は「体調不良の結果」ではなく、「腎臓の悪化サイン」であるケースも多いため、様子見し過ぎないことが重要です。


嘔吐を防ぐための日常ケア

食事の工夫

  • ドライフードはふやかす

  • ウェットタイプを活用する

  • 小分けで回数を増やす

  • 療法食を温めて香りを高める

水分補給の工夫

  • ウェットフード or スープ

  • 自動給水器

  • 常温の新鮮な水を複数設置

ストレスを減らす

腎臓病の犬は体力も免疫力も落ちやすいため、生活リズム・静かな環境・安心感が大切です。

定期検査と記録

  • 半年に1回の血液・尿検査(シニアなら3ヶ月)

  • 嘔吐・食欲・排泄をメモする

  • タンパク尿・SDMA・BUNの変動を把握する


診断前と診断後では判断が異なる

✅ 未診断で嘔吐が続く場合

→「腎臓病が隠れている可能性」あり。早めの血液・尿検査がおすすめ。

✅ すでに腎臓病と診断されている場合

→ 嘔吐 = 治療見直し・悪化の兆候。放置せず獣医へ相談。


嘔吐は腎臓病悪化のサイン。自己判断は禁物

  • 腎臓病による嘔吐は尿毒症・脱水・進行悪化の危険信号

  • 「食べない・吐く・だるそう」は要注意

  • 自宅での応急処置は一時対応に過ぎない

  • 繰り返す・ぐったりする・水を飲まない場合は即受診

  • 早期対応で寿命を延ばすことは十分可能

腎臓病の犬にとって嘔吐は「よくある症状」ではなく、「見逃せないSOS」です。
飼い主が早く気づき、判断・相談できるかどうかが命を左右します。