当サイトは犬の「腎臓病」主に「腎不全」にテーマを絞り、腎臓病・腎不全の治療や対策について考えていくサイトです。腎臓病対策には何があるのか、果たして治療はどこまで有効なのか。真剣に考えて行きたいと思っています。
食生活情報

犬の腎臓病で強制給餌はしていい?|判断基準と安全な方法、やってはいけないこと

腎臓病の犬がごはんを食べてくれないと、
「このままでは弱ってしまうのでは?」「強制給餌をしたほうがいいの?」
と不安になりますよね。

腎臓病は食欲低下が非常に起こりやすく、そのまま放置すれば
脱水・低栄養・筋肉減少 → 急激な体力低下
という悪循環に陥ってしまいます。

しかし、強制給餌には「メリット」と「危険」が両方あり、
状況によっては絶対にしてはいけない場合もあります。

この記事では、

  • 強制給餌をしていいケース・ダメなケース

  • 正しいやり方

  • 食べてくれない原因

  • 獣医師に相談すべきタイミング
    を専門的に、かつ飼い主さん目線で丁寧に解説します。


強制給餌は「場合によっては必要だが、間違うと危険」

腎臓病の犬は、食欲不振が続くと体力が急激に落ちるため、
獣医師の指示のもとで行う強制給餌は有効です。

しかし、素人判断で行うと…

  • 誤嚥(ごえん)性肺炎

  • 吐き戻しによる窒息

  • ストレスでさらに食欲悪化

など、重大なトラブルにつながることがあります。

👉 「食べない=すぐ強制」ではなく、理由を見極めることが最重要。


■強制給餌をしてもよいケース

次のような状況の場合、強制給餌は一つの選択肢になります。

▶① 食事を自力で食べない日が続いている

腎臓病では「吐き気・尿毒症・口内炎」で食欲が落ち、
丸1日以上食べられないことがあります。

2日以上続く場合は体力低下が深刻になるため、
病院の指示で強制給餌を検討します。

▶② 脱水気味で体力が落ちている

水は飲んでいても、栄養が摂れないと回復が遅れます。
点滴+強制給餌をセットで行う場合があります。

▶③ 内臓に問題はなく「食べない癖」が出ているだけ

食欲サポート剤(レメロンなど)を使いながら、
少量の強制給餌が効果的なことがあります。


■強制給餌をしてはいけない危険なケース

ここは非常に重要です。

❌① 吐き気が強い

胃がムカムカしている時に無理に食べさせると
➡ 吐き戻し → 誤嚥性肺炎
の大きなリスクがあります。

❌② ぐったりして反応が弱い

最終ステージ・尿毒症が進行している可能性があります。
無理やり与えると負担が増すだけで逆効果。

❌③ 呼吸が早い・苦しそう

誤嚥の危険が高く、絶対にNG。

❌④ 口内炎・口の痛みがひどい

噛むのも飲むのも辛く、強制は“拷問”になってしまいます。

❌⑤ 飼い主の手技に不安がある

強制給餌は見よう見まねで安全にできるものではなく、
必ず病院で指導を受けてください。


■犬が腎臓病で食べない原因(強制給餌の前にチェック)

強制給餌が必要かどうかは
“なぜ食べないのか”を知ることから始まります。

【よくある原因】

  • 口内炎(腎不全で多発)

  • 吐き気

  • 尿毒症の進行

  • フードの味に飽きた

  • においが弱くなり食欲がわかない

  • 体力の低下

  • ストレス

  • 点滴でお腹が張っている

👉 まず吐き気と口の痛みを確認することが非常に大切です。


■腎臓病の犬に強制給餌する方法(獣医師推奨)

※必ず獣医師の指導のもと行ってください。


▶ステップ1:与える量を決める

必要カロリーは
体重 × 70~90kcal / 日

例:5kgの場合
350~450kcal/日ほど。

ただし、腎臓病のステージ・体力により調整が必要。


▶ステップ2:与えるフードを選ぶ

おすすめは👇

  • 腎臓病療法食をお湯で柔らかくしたもの

  • 腎臓病用ウェット

  • 流動食(クリティカルケアなど)

  • 高栄養パウダーを溶かしたもの

👉 とにかく「においが強い、飲み込みやすいもの」を。


▶ステップ3:シリンジ(注射器)を使う

必ず横向きのほっぺのすき間から少量ずつ。

口の奥やまっすぐ喉に向けるのは絶対NG。


▶ステップ4:1回の量は少なめに

強制は 5〜10mlを数回に分けて が鉄則。

一気に大量に与えるとむせて危険。


■強制給餌の代わりに試したい「食欲アップ方法」

強制給餌の前に、まず以下を試すことをおすすめします。


▶① 温めて香りを立たせる(40℃前後)

嗅覚が衰えた犬には特に有効。


▶② 食欲増進剤の使用

  • レメロン(ミルタザピン)

  • エンタイス(食欲増進剤)

獣医師の処方が必要ですが効果は高いです。


▶③ フードの形を変える

  • お湯でふやかす

  • ウェットに混ぜる

  • ミキサーでペースト状にする

  • 手作り食をトッピング


▶④ 和漢・ハーブを利用(sowakaと相性◎)

腎臓に負担をかけず
嗜好性も上がりやすい。


▶⑤ ストレスを減らす

穏やかな環境で食べると、食欲が戻ることがあります。


■強制給餌をやめるべきサイン

次の症状があれば、強制給餌は逆効果です。

  • 吐き戻す

  • むせる

  • 逃げる・震える

  • 食後にぐったりする

  • 呼吸が荒い

  • 下痢が続く

👉 無理に続けないことが犬のためになる場合もあります。


■病院へ相談すべきタイミング

以下のどれかに当てはまれば、早めの受診が必須です。

  • 半日~1日何も食べない

  • 数日続けて食欲が安定しない

  • 吐き気、よだれ、口内炎がひどい

  • 点滴後も食べない

  • 強制給餌を嫌がる

食べない状態が長く続くと
腎臓病は一気にステージが上がることもあります。


■強制給餌は“正しく行えば救いになるが、誤ると危険”

腎臓病の犬に強制給餌をしていいかどうかは、
「食べない原因」と「犬の状態」で判断することが重要」

💡ポイントまとめ

  • 強制給餌は命をつなぐ手段になる

  • ただし吐き気やぐったりしている時は危険

  • 少量ずつ、ほっぺの横から与える

  • 吐き戻しやむせる場合は中止

  • まずは食欲アップの工夫から

  • 迷ったら病院へ相談を

飼い主さんは決して悪くありません。
食べてくれないときの不安は、誰もが経験するものです。

あなたの犬が少しでも快適に過ごせるよう、
状況に合った無理のない給餌方法を選んであげてくださいね。