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犬の腎臓病の合併症とケア

腎臓病の犬が下痢をしたとき|受診の目安と対処法をわかりやすく解説

腎臓病の犬が下痢をすると、飼い主さんは強い不安を感じます。

「腎臓が悪いから下痢も起きるの?」
「脱水が心配だけど、様子見して大丈夫?」
「今すぐ病院に行くべき?」

結論から言うと、
腎臓病の犬の下痢は“軽く見てはいけない症状” です。

下痢そのものよりも怖いのは、
✔ 脱水
✔ 電解質異常
✔ 腎機能の急激な悪化
を引き起こす可能性があること。

この記事では、

  • なぜ腎臓病で下痢が起こりやすいのか
  • すぐ受診すべき危険な下痢
  • 家で様子を見てもよいケース
  • 下痢をしたときの正しい対処法
  • 絶対にやってはいけないこと

を、判断基準がわかる形で詳しく解説します。


なぜ腎臓病の犬は下痢をしやすいのか?

腎臓病の犬の下痢は、単なるお腹の不調ではなく、
腎臓の機能低下が全身に影響して起こること が多いです。

主な理由は以下の通りです。


① 尿毒症による腸粘膜への刺激

腎臓が老廃物を排出できなくなると、
血液中に尿素・アンモニアなどの毒素が増えます。

これらは胃だけでなく腸の粘膜も刺激し、

  • 腸炎

  • 下痢

  • 腸の動きの異常

を引き起こします。

尿毒症が進んだ下痢は、腎臓病悪化の重要なサイン です。


② 薬の副作用

腎臓病では多くの薬を使います。

  • 抗生物質

  • リン吸着剤

  • 血圧の薬

  • サプリメント

これらが腸内環境を乱し、下痢を起こすことがあります。


③ 食事の変化・療法食への切り替え

腎臓病と診断されてから

  • 療法食に切り替えた

  • トッピングを変えた

  • ウェットフードを増やした

直後に下痢が起こるケースも多くあります。


④ 脱水・電解質異常

腎臓病では

  • カリウム

  • ナトリウム

  • リン

などのバランスが崩れやすく、
腸の動きが不安定になり下痢を招きます。


⑤ ストレス

通院・環境変化・体調不良によるストレスでも、
腎臓病の犬は下痢を起こしやすくなります。


【最重要】すぐ病院に行くべき“危険な下痢”のサイン

腎臓病の犬では、
下痢+別の症状が重なると緊急性が高い です。

以下に1つでも当てはまる場合は、
様子見せず受診 してください。


① 下痢が半日〜1日以上続く

腎臓病の犬では
短時間の下痢でも脱水が進みやすい ため、
長引く下痢は危険です。


② 水を飲まない・飲む量が極端に減っている

下痢+飲水量低下
= 急激な脱水リスク。

腎臓病の犬にとって脱水は命取りです。


③ 下痢に血が混じる(血便・黒い便)

  • 赤い血が混じる

  • 黒くタール状

これらは
✔ 腸の炎症
✔ 出血
✔ 重度の尿毒症

の可能性があり、緊急受診が必要です。


④ 下痢と一緒に嘔吐がある

下痢+嘔吐が同時にある場合、
✔ 急性腸炎
✔ 尿毒症の進行
✔ 薬の副作用

などが疑われます。


⑤ 元気がなく、ぐったりしている

  • 動かない

  • 立ち上がれない

  • 呼びかけへの反応が弱い

これは
✔ 電解質異常
✔ 貧血
✔ 腎臓の急変

の可能性があります。


⑥ 尿量が減っている・出ていない

下痢+尿量減少は非常に危険です。

腎臓の急性悪化や脱水が疑われます。


様子を見てもよい“軽度の下痢”とは?

以下すべてに当てはまる場合のみ、
短時間の様子見 が可能です。

✔ 下痢は1〜2回だけ
✔ 水を飲んでいる
✔ 元気がある
✔ 食欲が少し落ちた程度
✔ 尿量が普段と変わらない

ただし 24時間以内に改善しなければ必ず受診 してください。


腎臓病の犬が下痢をしたときの正しい対処法

① まずは脱水を防ぐ

最優先は水分です。

  • 水を常に置く

  • ぬるめの水にする

  • スープ(無塩)を少量

  • ウェットフードを少量

※ 無理に飲ませないことも大切。


② 食事は一時的に調整する

  • 一時的に量を減らす

  • 消化しやすい形状にする

  • 1回量を少なく、回数を増やす

完全な絶食は腎臓病では避ける のが基本です。


③ 薬・サプリの変更がないか確認

  • 新しく始めた薬

  • 増やしたサプリ

があれば、下痢との関連を疑いましょう。

自己判断で中止せず、獣医師に相談 を。


④ 便の状態を記録する

病院受診時に重要です。

  • 回数

  • 形状(泥状・水様)

  • 血の有無

スマホで写真を撮っておくのも有効です。


病院ではどんな検査・治療をする?

下痢がある腎臓病の犬では、以下が行われます。

  • 血液検査(BUN・Cre・電解質)

  • 便検査

  • 点滴(脱水・尿毒症対策)

  • 下痢止め・整腸剤

  • 食事調整

下痢そのものより、腎臓への影響を重視した治療 が行われます。


絶対にやってはいけないこと

❌ 人の下痢止めを使う
❌ 長時間の絶食
❌ 下痢が続くのに様子見を続ける
❌ 勝手に薬を中断する
❌ 水分を制限する

腎臓病では、これらはすべて悪化の原因になります。


下痢は“腎臓からのSOS”のことがある

腎臓病の犬にとって、下痢は単なる消化器症状ではありません。

  • 尿毒症の進行

  • 電解質異常

  • 脱水

  • 急性増悪

を知らせる 重要なサイン のことがあります。


まとめ|腎臓病の犬の下痢は「判断の早さ」が命を守る

最後に、判断ポイントを整理します。


✔ すぐ受診すべき下痢

  • 半日以上続く

  • 血が混じる

  • 嘔吐を伴う

  • 水を飲まない

  • 元気がない

  • 尿量が減る


✔ 様子見できる可能性

  • 1〜2回のみ

  • 元気あり

  • 水を飲んでいる

  • 24時間以内に改善


腎臓病の犬では、
「少し様子を見る」判断が大きな悪化につながることもあります。

迷ったら、
「腎臓病があるので下痢をしています」
と病院に相談することが、最も安全な選択です。