犬の腎臓病は進行性で完治が難しい病気ですが、日常のケア次第で進行を遅らせることができます。その中でも特に重要なのが「水分補給」です。腎臓は老廃物をろ過して尿として排出する役割を担っており、水分が不足すると腎臓に大きな負担がかかります。腎臓病の犬にとって水分補給は命を守るケアの一つであり、飼い主が積極的にサポートしてあげることが必要です。
Contents
犬の腎臓病と水分の関係
-
水分は老廃物を尿として排出するために不可欠
-
脱水は腎臓への血流を減らし、腎機能の悪化を招く
-
水分補給が十分であれば毒素の蓄積を防ぎ、症状の緩和に役立つ
腎臓病の犬では多飲多尿が見られることが多いため、水分を失いやすく脱水リスクが高まります。したがって、意識的な水分補給が欠かせません。
水分補給が果たす役割
-
老廃物の排泄を助ける
-
脱水を防ぎ、血液循環を維持する
-
吐き気や倦怠感など症状を和らげる
-
食欲低下を補助し、栄養摂取をサポートする
犬に水分を摂らせる工夫
常に新鮮な水を用意
-
こまめに水を交換する
-
複数の場所に水飲み場を設置する
食事で水分を増やす
-
ウェットフードを活用する
-
ドライフードをぬるま湯でふやかす
-
手作りスープ（無塩・無添加）を加える
嗜好性を高める工夫
-
少量の犬用ミルクを混ぜる
-
水を軽く温めて香りを引き立てる
輸液による水分補給
腎臓病が進行し、自力での飲水や食事からの水分摂取が難しい場合は、輸液（点滴）による補給が必要になります。
静脈点滴
-
急性腎不全や重度脱水時に病院で実施
-
集中的に水分と電解質を補給できる
皮下点滴
-
慢性腎臓病の犬で一般的
-
自宅で飼い主が行うことも可能
-
定期的な補給で腎臓の負担を軽減
飼い主がよく抱く質問
水を飲みすぎるのは問題ですか？
多飲は腎臓病のサインですが、飲ませすぎが問題になることはほとんどありません。むしろ十分に飲ませることが大切です。
水を飲まないときはどうすればいいですか？
フードをふやかす、スープを加える、風味を工夫するなどして摂取を促してください。飲まない場合は早めに獣医師に相談を。
自宅での皮下点滴は安全ですか？
獣医師の指導を受ければ可能です。初めは病院で練習し、徐々に慣れていくのが安心です。
まとめ
犬の腎臓病において水分補給は最も重要なケアのひとつです。
-
水分は老廃物排泄を助け、腎臓の負担を軽減する
-
新鮮な水の提供やウェットフードの活用で摂取量を増やす
-
進行時には輸液による補給が必要になる場合もある
-
飼い主の工夫と継続的なケアが、愛犬の健康寿命を大きく延ばす
毎日の水分補給を意識することが、愛犬の腎臓病管理の基盤となります。
