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犬の腎臓病の自然療法

犬の腎臓病における漢方

犬の腎臓病は進行性の病気であり、完治は難しいとされています。そのため治療の基本は食事療法・薬物療法・点滴療法ですが、補助的な治療として「漢方」を取り入れる動物病院も増えてきました。漢方は体全体のバランスを整えることを目的とし、腎臓病の進行抑制や症状緩和に役立つ可能性があります。本記事では、犬の腎臓病における漢方療法の役割や代表的な処方、注意点について詳しく解説します。


漢方療法とは?

漢方は古来中国から伝わる伝統医学で、「気・血・水」のバランスを整えることによって体全体の調和を図る治療法です。犬においても漢方は自然治癒力を高め、体質改善を目指す補助療法として使われることがあります。腎臓病に対しては、腎臓そのものを直接治すというよりも、症状を和らげ、生活の質を高める目的で利用されます。


犬の腎臓病における漢方の役割

  • 食欲不振や倦怠感を和らげる

  • 体の冷えや血行不良を改善する

  • 老廃物排出をサポートする

  • 免疫力を整え、全身の健康維持に貢献する

  • 精神的な落ち着きを与え、ストレスを軽減する


犬の腎臓病で用いられる代表的な漢方処方

八味地黄丸(はちみじおうがん)

腎機能の衰えや老化に伴う症状を和らげる代表的な漢方。高齢犬の腎臓サポートに用いられることがあります。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

体力低下や食欲不振が見られる犬に使用されることがあります。気力を補い、体力回復をサポートします。

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

血行を促進し、体の冷えやむくみに対応するために使われることがあります。

四物湯(しもつとう)

血流改善を目的に用いられる処方で、腎臓病による貧血症状のサポートに活用される場合があります。

※これらは一例であり、犬の体質や症状によって処方が異なります。必ず獣医師に相談のうえ使用してください。


漢方を取り入れる際の注意点

  • 必ず獣医師に相談すること:人間用の漢方を自己判断で与えるのは危険です。

  • 基本治療の代替にはならない:あくまで補助療法として取り入れることが重要です。

  • 効果はゆるやか:即効性はなく、長期的な体質改善を目的としています。

  • 副作用に注意:体質に合わない場合は下痢や嘔吐などが出ることがあります。


飼い主がよく抱く質問

漢方だけで腎臓病は治りますか?

治りません。腎臓病は進行性のため、食事療法・薬物療法・点滴療法と併用する必要があります。

副作用はありますか?

体質や処方によっては下痢・嘔吐・元気消失などが出ることがあります。必ず獣医師の指導のもとで与えましょう。

健康な犬にも与えてよいですか?

予防目的で与える場合もありますが、必要性は犬の体調によります。獣医師に確認してから使用してください。


まとめ

犬の腎臓病における漢方は、体質改善や症状緩和を目的とした補助療法です。

  • 八味地黄丸、補中益気湯、牛車腎気丸などが用いられる

  • 食欲不振、倦怠感、血行不良などの症状に効果が期待できる

  • 即効性はなく、長期的に続けることで体質改善を目指す

  • 基本治療と併用し、必ず獣医師の管理のもとで行うことが大切

漢方は愛犬の体を内側からサポートするやさしい治療ですが、過信せず、安全に取り入れることが重要です。