腎臓病の犬と暮らしていると、
「昨日まで元気だったのに、急に様子がおかしい」
「この状態、すぐ病院に行くべき?」
と不安になる瞬間が必ず訪れます。
腎臓病は ゆっくり進行する病気 ですが、
ある日を境に 急激に悪化することがある病気 でもあります。
この“急変”に気づけるかどうかが、
✔ 命を守れるか
✔ 回復の余地を残せるか
を大きく左右します。
この記事では、
- 腎臓病が急に悪化する理由
- 「すぐ受診すべき緊急サイン」
- 様子見してよいケース・危険なケースの違い
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病院へ行く前に飼い主が確認すべきポイント
をわかりやすく解説します。
Contents
腎臓病はなぜ“急に悪化”するのか?
慢性腎臓病は基本的に進行性ですが、
次のようなきっかけで 急激な悪化(急性増悪) が起こります。
よくある悪化の引き金
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脱水症状(水分摂取量の低下、下痢、嘔吐)
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感染症(膀胱炎、尿路感染症)
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高リン血症および電解質異常
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薬の影響(鎮痛剤・人の薬の誤飲)
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食欲不振による栄養不足
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ストレス(旅行・環境変化)
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高血圧の急上昇
腎臓は「余力の少ない臓器」です。
残っている機能が少ない状態でこれらが重なると、
一気にバランスが崩れ、急変 が起こります。
【最重要】今すぐ病院へ行くべき“緊急サイン”
以下は 迷わず受診すべきサイン です。
1つでも当てはまれば「様子見」は危険です。
① まったく食べない・飲まない(24時間以上)
腎臓病の犬で
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完全に食べない
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水もほとんど飲まない
状態は 緊急事態 です。
✔ 脱水
✔ 尿毒症の進行
✔ 電解質異常
が一気に進む可能性があります。
② 繰り返す嘔吐・よだれが止まらない
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1日に何度も吐く
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胃液や泡を吐く
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よだれが大量に出る
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口をくちゃくちゃする
これは 尿毒症による胃腸障害 の典型です。
放置すると
→ 食べない
→ 脱水
→ さらに腎臓悪化
という悪循環に入ります。
③ ぐったりして立てない・反応が鈍い
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呼びかけても反応が弱い
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立ち上がれない
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目に力がない
これらは
✔ 貧血の進行
✔ 電解質異常
✔ 尿毒症
の可能性があります。
「歳のせいかな?」で済ませてはいけないサインです。
④ 尿が極端に少ない・まったく出ていない
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半日以上オシッコが出ない
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明らかに量が減った
これは
✔ 急性腎障害
✔ 脱水
✔ 尿路閉塞
の可能性があり、非常に危険です。
⑤ 呼吸が早い・苦しそう
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安静時なのに呼吸が速い
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口を開けてハァハァする
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胸やお腹が大きく動く
腎臓病では
✔ 貧血
✔ 代謝性アシドーシス
✔ 電解質異常
が原因で呼吸が苦しくなることがあります。
⑥ けいれん・ふらつき・意識がおかしい
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体がピクピクする
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立てずに倒れる
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目が虚ろ
これは 命に関わるサイン です。
夜間でも救急対応が必要です。
「様子見してよいケース」と「危険な様子見」の違い
飼い主さんが最も迷うのがここです。
短時間の軽い変化(様子見可能な場合)
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食欲が少し落ちただけ
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元気はある
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水は飲んでいる
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尿量が普段と大きく変わらない
※ただし 24時間以内に改善しない場合は受診。
様子見が危険なケース
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食欲低下+元気消失
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食べない+嘔吐
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水を飲まない
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尿量減少が同時にある
複数の異変が重なるときは即受診が原則です。
病院へ行く前に確認しておくと役立つこと
受診時に役立つ情報をまとめておくと、診断が早くなります。
✔ 確認リスト
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最後に食べた時間・量
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水を飲んだ量
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尿の回数・量・色
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嘔吐や下痢の有無
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いつからおかしいか
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服用中の薬・サプリ
可能なら 動画(呼吸・歩き方) を撮っておくのも有効です。
急変時、病院では何をする?
腎臓病の急性悪化では、次の対応が取られます。
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血液検査(BUN・Cre・電解質)
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点滴(静脈 or 皮下)
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吐き気止め・胃薬
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電解質補正
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血圧測定
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感染症チェック
早く来院するほど、回復できる余地が大きいのが腎臓病です。
「様子を見ていたら手遅れ」になりやすい理由
腎臓病は
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痛みを訴えない
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我慢強い
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見た目の変化が遅い
という特徴があります。
そのため
「もう少し様子を見よう」
が 取り返しのつかない悪化 につながることがあります。
飼い主が持っておくべき“判断基準”
迷ったら、この基準を思い出してください。
「いつもと違う」+「元気がない」=受診
腎臓病では
早すぎる受診はあっても、遅すぎる受診は命取り
になることがあります。
腎臓病の急変は“早く気づいた人が救える”
腎臓病の犬が急に悪化したとき、
最も大切なのは 飼い主の気づきと決断 です。
✔ 食べない・飲まない
✔ 嘔吐・よだれ
✔ 元気消失・ぐったり
✔ 尿量減少
✔ 呼吸異常・けいれん
これらは 「待ってはいけないサイン」。
愛犬の命を守れるのは、
毎日そばにいる飼い主だけ です。
「おかしいかも」と思ったら、
迷わず病院へ。
それが、腎臓病と向き合ううえで
最も大切な判断です。


