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水だけ飲むのは危険なサイン?
腎臓病の犬に多い悩みのひとつが、
「ごはんを食べないのに水ばかり飲む」という状態です。
「水を飲んでいるならまだ安心?」
「食べないのは一時的なもの?」
「それとも病気が進行しているサイン?」
こう感じている飼い主さんは少なくありません。
結論から言うと、水だけ飲む状態は注意が必要です。
腎臓病の症状が進んでいたり、食欲不振・脱水・中毒症状などが隠れている可能性があります。
この記事では、
✅なぜ水ばかり飲むのか
✅危険なケースと見分け方
✅放置するとどうなるか
✅具体的なケアと受診の目安
をわかりやすく解説します。
犬が水だけ飲む状態は危険?判断のポイント
犬が水を飲むこと自体は正常な行動です。
しかし、「食べない+水ばかり飲む」状態は要注意の組み合わせです。
特に以下のような状況は危険信号です👇
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ごはんをほぼ食べない状態が1日以上続く
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食事には見向きもせず水だけ飲む
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水を飲んだあとに吐く
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尿量が極端に多い or 少ない
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元気がなく寝てばかりいる
腎臓病では、体が水を欲しているのではなく「水を失っている」ケースが多いため、水分摂取だけでは改善しません。
なぜ腎臓病の犬は水ばかり飲むのか?主な原因
①尿が薄くなり水分が逃げてしまう
腎臓が弱ると「尿を濃縮する機能」が低下します。
その結果…
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たくさん尿を出してしまう(多尿)
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体から水分が抜けていく
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失った分を飲んで補おうとする
という流れになります。
「多飲多尿」は腎臓病の初期から見られる代表的なサインです。
水を飲んでいる=良い状態ではない、という点がポイントです。
②食欲不振・吐き気の影響
腎臓病が進行すると、
体内に老廃物(尿毒素)が溜まりやすくなります。
その結果👇
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吐き気・ムカつき
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食べ物のニオイを嫌がる
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ごはんに見向きもしない
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食べずに水を飲んでしまう
という状態になりがちです。
水だけ飲んでいるのは「口が気持ち悪い」「食べたくない」サインの可能性があります。
③脱水と電解質バランスの乱れ
水だけ飲んでいると勘違いしやすいのが「軽い脱水」。
犬は脱水のときにもよく水を飲む行動を取ります。
腎臓病による脱水が怖い理由👇
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水を飲んでも電解質が補えない
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吐く・下痢などでさらに水分喪失
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体調悪化→食欲低下→悪循環
水を飲んでいても脱水気味なことはよくあります。
放置するとどうなる?考えられるリスク
「食べないけど水は飲むし大丈夫かな…」
そう思って様子見を続けるのは危険です。
放置することで以下のような悪化が起こります👇
●エネルギー不足による衰弱
・タンパク質やカロリーが足りず体重減少
・筋力低下やふらつき
・免疫力低下
●脱水・電解質異常
・水では補えないミネラル不足
・血液が濃くなり腎臓にさらに負担
・循環不全や意識低下の可能性も
●尿毒症の進行
・吐き気・けいれん
・痙攣・昏睡
・末期症状への移行
●末期サインに気づくのが遅れる
・「水飲めてるから大丈夫」と錯覚
・食欲ゼロ=重症化の可能性
・点滴や治療開始のタイミングを逃す
水だけ飲んでいる状態は「まだ大丈夫」ではなく、「すでに悪化しているサイン」と考える方が適切です。
こんなときは病院へ行くべきサイン
水だけ飲む状態が以下のどれかに当てはまる場合は、自己判断せず早めに受診が必要です。
✅受診の目安チェックリスト
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24時間以上ごはんを食べていない
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水を飲んだ直後に吐くことがある
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尿の量が極端に多い or 急に減った
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ぐったりして動かない
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口臭(アンモニア臭・生臭さ)が強い
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歯茎や舌が白っぽい・乾いている
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フードを口元まで持っていっても拒否する
特に**「嘔吐+食べない+水ばかり」は腎不全の進行サイン**としてよく見られます。
放置せず、受診のタイミングを逃さないことが大切です。
水だけ飲むときの対処法・サポート方法
ごはんを食べない状態を放置しないために、飼い主側でできる対策をご紹介します👇
①食べやすくする工夫をする
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ウェットタイプへ切り替える
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ぬるま湯でふやかす
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香りを立てる(温める)
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粒を小さくする
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手から与えてみる
「食べない=嫌い」ではなく「しんどい・気持ち悪い」ことも多いので、柔らかさや香りの調整が有効です。
②療法食が無理なら一時的に別の方法も
選択肢の例👇
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腎臓ケア用ウェットフード
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低リン・低ナトリウムのおやつ
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病院で提案されるa/d缶(高栄養食)
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シリンジやスポイトを使った投与
無理に食べさせるのではなく、「食べられる形にする」ことがポイント。
③水分の摂り方を工夫する
水のみでは不十分な場合👇
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ウェットフードや流動食で水分+栄養を補給
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犬用スープやだし汁(塩無添加)
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経口補水液(腎臓病対応のもの)
「飲んでるのに脱水」という状態もあるため、水分の質と摂取方法も大切です。
④ホームケアだけでは限界もある
以下のケアが必要になるケースも👇
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皮下点滴(自宅・病院)
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吐き気止めの処方
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リン吸着剤やサプリメント
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食欲増進剤(獣医判断で使用)
早めの医療介入でQOLが大きく変わります。
水だけ飲む=末期の可能性もある?
腎臓病の進行段階によっては、以下のような末期症状の一部として「水だけ飲む」状態が現れることがあります👇
末期に近い場合に見られるサイン
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フードを一切受け付けない
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嘔吐・下痢が頻発
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呼吸が浅い・荒い
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筋力低下で立ち上がれない
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無気力・反応が薄い
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目が落ちくぼむ・脱水症状
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尿がほとんど出ない(無尿・乏尿)
もし思い当たる点がある場合は、延命治療・緩和ケア・看取り準備などを含めて獣医と相談する段階です。
水だけ飲む状態は「悪化のサイン」と考えてOK
犬が腎臓病で水ばかり飲んでいるときは…
✅「水は飲めているから安心」ではなく
👉「食べられなくなっている危険信号」
✅よくある原因
・多飲多尿による脱水
・吐き気やムカつきで食べられない
・尿毒症の進行
・栄養不足・免疫低下
✅放置のリスク
・衰弱・体重減少
・脱水と電解質異常
・末期症状の見逃し
・尿毒症の悪化
✅飼い主ができること
・食事の形を変える
・水分補給の質を見直す
・早めに受診する
・療法食が無理なら別案も検討
・点滴・投薬で負担軽減
💡ポイント
「まだ水を飲めている」は安心材料ではなく、
“体が限界を訴えているサイン”と捉える方が正確です。
食べない+水だけ飲む状態が1日以上続く場合は、
迷わず病院に相談することが愛犬を守る第一歩となります。


