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犬の腎臓病は犬種ごとにリスクが違う
犬の腎臓病はシニア期に多い病気ですが、犬種や体格によって発症の仕方や進行のスピードが異なります。
小型犬は寿命が長いため腎臓病にかかる確率が高く、大型犬は一度発症すると急速に悪化するケースが少なくありません。
また、遺伝的に腎臓が弱い犬種も報告されています。
飼い主にとって大切なのは「自分の犬のリスクを理解し、日常生活と検査習慣に活かすこと」です。
なぜ犬種によって腎臓病のリスクが異なるのか
腎臓病リスクの差は、主に以下の3つの理由から生まれます。
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遺伝的要因
腎臓の形成異常や慢性腎炎を起こしやすい体質を持つ犬種が存在します。 -
体格の違い
大型犬は代謝が活発で、腎臓にかかる負担も大きいため、進行が早いとされます。 -
寿命の差
小型犬は寿命が長いため、高齢期に腎臓病を発症する割合が自然と高まります。
このように、腎臓病は「どの犬にも起こる病気」ですが、犬種によってリスクの現れ方が違うのです。
腎臓病に注意が必要な犬種
小型犬でリスクが高い犬種
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シーズー
遺伝的に腎臓や尿路に問題を抱えやすく、シニア期に腎不全を発症するケースが多いです。 -
ヨークシャーテリア
膀胱結石や尿路疾患から腎臓に負担がかかりやすい犬種。結石体質の子は特に注意。 -
マルチーズ
腎臓の形成不全や先天性疾患が比較的多く見られる犬種です。 -
チワワ
小柄な体格ゆえに腎臓の機能低下が進むと症状が目立ちやすく、シニア期は腎不全に注意が必要です。
中型犬で注意したい犬種
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柴犬
日本犬に多い慢性腎臓病。急に数値が悪化するケースもあり、定期健診が欠かせません。 -
ビーグル
遺伝的に慢性腎炎のリスクが高いとされます。活発な犬種ですが、シニア期は特に観察が重要です。
大型犬でリスクがある犬種
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ゴールデン・レトリーバー
腎炎や腫瘍のリスクが比較的高く、腎臓病の進行も早め。 -
ラブラドール・レトリーバー
肥満や高脂血症が腎臓病悪化の要因となりやすい犬種です。 -
ドーベルマン
遺伝性の腎炎が見られることがあり、若い頃から注意が必要。
犬種ごとの腎臓病リスクと飼い主ができる対策
小型犬の対策
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シニア期に入ったら半年ごとの検査を習慣にする
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飲水量や尿量の変化を日々記録する
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食欲不振や体重減少に敏感になる
中型犬の対策
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柴犬は特に血液検査でSDMAを取り入れる
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ビーグルは体重管理を徹底し、腎臓に負担をかけない
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適度な運動で血流を良くし、腎臓の働きを助ける
大型犬の対策
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肥満防止が最重要。体重オーバーは腎臓に直結して悪影響
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蛋白質やリンの過剰摂取を避ける
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若いうちから腎臓検査を意識して取り入れる
日常生活でできる腎臓病予防の工夫
腎臓病は完全に防ぐことはできませんが、生活習慣でリスクを下げ、進行を遅らせることは可能です。
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飲水量を確保する
ウェットフードやスープを利用して水分摂取を増やす。 -
良質な食事管理
腎臓に負担をかけにくい療法食や低リン・低ナトリウムのフードを選ぶ。 -
定期的な健康診断
特にリスク犬種は「若い頃から」定期検査を受ける。 -
ストレスを減らす
環境の変化や過度な運動は腎臓にも悪影響を与えることがあるため、落ち着いた生活を心がける。
飼い主が見逃しやすいサイン
どの犬種にも共通する腎臓病の初期症状があります。
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水を飲む量が増えた
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おしっこの量が増えた
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食欲が落ちてきた
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毛艶が悪くなった
これらは「歳のせい」と思われがちですが、実は腎臓病のサインである可能性が高いのです。
腎臓病リスクが高い犬種ほど「早期発見」が大切
結論として、腎臓病は犬種によってリスクや傾向が異なるものの、飼い主の観察と定期検査で早期発見が可能です。
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小型犬:寿命が長い分、発症率が高い
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中型犬:遺伝的リスクを持つ犬種がある
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大型犬:進行が速いため早期検査が必須
「愛犬の犬種特性を理解し、小さなサインを見逃さない」
それが、愛犬の寿命を延ばす最大の方法です。
まとめ
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犬種や体格によって腎臓病リスクは異なる
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シーズー・柴犬・レトリーバーなどは特に注意が必要
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生活習慣(食事・水分・運動)でリスクを軽減できる
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半年〜1年に1回の定期検査が早期発見につながる
腎臓病は「沈黙の病気」ですが、飼い主が正しい知識を持ち、日々の観察と検査を徹底すれば、愛犬はより長く元気に過ごすことができます。


