犬の腎臓病は進行性の病気で、体全体にさまざまな悪影響を及ぼします。その中でも見逃せないのが「感染症リスクの増加」です。腎臓病によって免疫力が低下すると、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まり、感染症にかかりやすくなります。また、一部の感染症は腎臓病そのものの原因にもなるため、両者の関係を理解して対策を講じることが大切です。
Contents
腎臓病と感染症の関係
腎臓病が感染症リスクを高める理由
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免疫力の低下により細菌やウイルスに対抗しにくくなる
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尿毒素の蓄積で体全体の抵抗力が弱まる
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貧血や栄養不足により体力が低下し、感染症に罹患しやすくなる
感染症が腎臓病を引き起こす場合
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レプトスピラ症:細菌感染により急性腎不全を発症する危険な病気
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尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎):腎臓へ炎症が波及すると腎機能を低下させる
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フィラリア症:寄生虫によって腎臓に二次的な障害が起こることがある
腎臓病の犬が注意すべき感染症
尿路感染症
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尿路の細菌感染が腎臓まで波及すると腎盂腎炎に発展
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頻尿、血尿、排尿時の痛みなどが見られる
レプトスピラ症
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ネズミなどの野生動物が媒介
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急性腎不全・肝不全を引き起こす
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ワクチン接種で予防可能
皮膚感染症
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免疫力の低下により細菌性皮膚炎が悪化しやすい
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被毛のツヤが失われ、かゆみや膿皮症が出る場合も
感染症対策のポイント
ワクチン接種
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レプトスピラ症を含む混合ワクチンは重要
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年齢や体調に応じて獣医師と相談して接種スケジュールを決定
日常生活での予防
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清潔な飲水を常に確保する
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散歩中に水たまりや汚れた水を飲ませない
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トイレ周りを清潔に保つ
定期的な検査
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尿検査で細菌感染やタンパク尿の有無を確認
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血液検査で腎機能の状態をチェック
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感染症が疑われる場合は早期に治療を開始する
免疫力を高める生活習慣
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バランスの取れた食事(療法食+必要なサプリメント)
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水分補給で尿の流れを良くし、細菌の繁殖を防ぐ
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ストレスを減らし、体力を維持する
飼い主がよく抱く質問
腎臓病の犬でもワクチン接種は受けられますか?
体調に応じて可能ですが、必ず獣医師と相談してください。腎臓病のステージによって接種の可否が判断されます。
尿路感染症はどうやって防げますか?
水分を十分に与え、尿をため込ませないことが重要です。トイレ環境を清潔に保つことも効果的です。
感染症にかかった場合、腎臓病は必ず悪化しますか?
感染症は腎臓に大きな負担をかけるため、悪化のリスクが高まります。早期発見と治療が予後を左右します。
まとめ
犬の腎臓病と感染症は深く関わっており、互いに病状を悪化させる危険性があります。
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腎臓病による免疫力低下で感染症リスクが上がる
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レプトスピラ症や尿路感染症は腎臓病の原因にもなる
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ワクチン接種・清潔な生活環境・定期検査で予防が可能
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水分補給と体力維持が感染症予防の基盤
飼い主が日常から感染症予防を意識することで、愛犬の腎臓病管理と健康寿命の延伸につながります。